つくば歯科医師会
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一生、健康な歯で食事や会話をし、微笑む事ができたらどんなに幸せなことでしょう。そのための最初の重要なステップが健康な永久歯列の完成です。たとえ、乳歯が残念ながら虫歯になってしまったとしても、その原因をきちんと見つけ対応し予防することで、虫歯のない健康な永久歯列を完成させることは、決して難しいことではありません。
虫歯のリスクは人によってや口腔内の場所によっても異なります。また同じ人でも生涯にわたって一定というわけではありません。乳歯や萌出直後の幼若永久歯、加齢によって露出した歯根面などは歯が軟らかく虫歯のリスクが高いといえます。ミュータンス菌(虫歯をつくる細菌)が感染・定着する乳歯の萌出期や、食生活が荒れがちになる思春期も注意しなければならない時期です。虫歯がお口の中にできてしまう条件は個人によって違いがありますので個人に合わせた予防をする必要があります。
1.虫歯は、どうしてできるのでしょう?
あなたの歯の表面では食事の度にいったい何が起こっているのでしょうか。歯の表面に付着するプラーク(歯の表面のネバネバした汚れ、歯垢ともいう)の中には虫歯の原因となる細菌が住んでいます。これらのプラーク中の虫歯菌は、あなたが食べたり飲んだりした物の中に含まれる炭水化物や糖を利用して、歯を溶かす「酸」を作ります。この酸によって歯からカルシウムイオンやリン酸イオンが溶け出します。この働きを「脱灰」と呼びます。脱灰が持続すると歯の結晶構造が破壊されて歯に穴があいてしまうのですが、正常なお口の中では、唾液の働きによって唾液中のカルシウムイオンやリン酸イオンが再び歯の表面に沈着するので歯が破壊されることはありません。この働きを「再石灰化」といいます。食事のたびに「脱灰」と「再石灰化」は繰り返されています。
2.唾液の働き
唾液がからだの健康のために、果たしている役割は数多くあります。その中でも重要なのは、歯や歯肉の健康を守る働きです。歯の表面(エナメル質)で食事のたびに繰り返される脱灰、再石灰化、フッ素イオンの供給はすべて唾液を介して行われます。充分な唾液が存在することでエナメル質の健康が保たれるのです。エナメル質を構成するカルシウムイオンやリン酸イオンを充分に含んだ唾液は液体エナメル質と言われます。多くのイオンをエナメル質に供給するための唾液分泌量が多ければ多いほど虫歯予防に有利になります。
3.飲食物の種類・量・回数と虫歯との関係
虫歯菌は、糖や炭水化物なしには酸(歯を脱灰させる酸)を産生しません。
このため砂糖を虫歯の原因と考えて、砂糖を含む食品の摂取を少なくする傾向がありました。しかし、多くの飲食物には糖や炭水化物が含まれていますのでその摂取の仕方が重要となります。つまり、飲食の時間や回数が重要です。だらだら食いや頻繁な間食は、脱灰時間が長くなり再石灰化時間が少なくなるため、虫歯になる危険が高まります。また、特に気をつけなければならないのは就寝前の飲食です。睡眠中は唾液の分泌がほとんどなくなりますので、低下したプラークpHは長時間維持されることになり、危険度は非常に高まります。少なくとも就寝の1時間前には飲食しない習慣をつけるようにしましょう。
4.フッ素の効果
歯の表面では、食事のたびに脱灰と再石灰化が行われています。脱灰によって歯から唾液中に溶け出したカルシウムイオンやリン酸イオンは、再石灰化によって再び歯に取り戻されます。この時、フッ素イオンもいっしょに歯に取り込む事ができると、歯質はフルオロアパタイトという硬く強い結晶構造を作り、酸によって溶かされにくい歯になります。毎日のブラッシング時に(フッ素化合物入りの歯磨き粉・フッ素化合物入り虫歯予防ジェルなど)フッ素を補給することで酸に負けない強い歯を作ることができます。萌出したばかりの歯は、成熟するまでに数年かかりますが、フッ素には硬化促進の役割があり硬い丈夫な歯を作るので、虫歯予防対策にはフッ素の力が効果的だと考えられております。
5.虫歯を作らないためには?
歯の外傷と予防
スポーツを行うには、十分な栄養摂取が必要です。そのためには、何でも良く嚙めるように歯と歯ぐきの健康を保つことがきわめて大切です。競技の種類によっては、良い噛み合わせを保つことが、身体のバランスをうまく調整をすることにつながりますので、重要になります。競技中に体の衝突がある競技、または速い速度の球体が顔面に衝突ることが多い競技にはマウスガードの装着を推奨します。歯や口に関係すること、健康面に安心、パフォーマンスの維持、競技中・練習中の安全を得るために、日頃から歯科医師・歯科衛生士のサポートを受けるとよいでしょう。
スポーツ時にはどんなけがをするの?
スポーツの練習中または試合中の衝突、転倒などにより、歯が折れる、歯が抜け落ちる、骨が折れる、くちびるや頬の粘膜をかんだり切ったりする、脳しんとうを引き起こすなどがあります。くちびるを切る・顎を打撲する。
歯が抜け落ちた。(破折・脱落)
あごの骨が折れた。(骨折)
歯が抜けた! どうしよう…
  • まず、あわてずに、抜け落ちた歯をさがしましょう。
  • 歯の根を持たないようにしましょう。また、歯根に付着した土や汚れ雑菌を落とすために強くこすってはいけません。軽く水で流して落としましょう。歯根膜という細胞を壊してしまうからです。
  • 抜けた歯を(歯の保存液)または牛乳につけて運びます。(歯根を乾燥させたり、水道水に長い時間つけたりすると細胞が死滅するため)。短時間であれば唾液を含んだガーゼなどにくるんで運んでもよいです。
  • すぐに歯科医院にて、処置を受けてください。(長い時間が経過しておらず、保存状態が良いと、歯を元通りにすることができます)
スポーツ時のけがを予防するためには?
スポーツ時の口の内外のケガの予防法の1つにマウスガードが挙げられ、その有効性が実証されています。マウスガードを装着することにより、外力からあごと口のまわりへの衝撃をやわらげ、ケガを防止します。また、衝撃を吸収する効果もあり、脳しんとうの予防にも有効と言われています。
マウスガードの種類
  • 1.カスタムタイプ(歯科医院で作成)
    口を開けたときに外れ落ちたり、発音が容易にできる。フィット感があるマウスガードです。
  • 2.簡易タイプ(市販品)
    フィット感が少なく、口を開けたときに外れたり、発音がしずらい時があります。
かかりつけ歯科医院にてご相談ください。
歯周病はどんな症状なの?
~沈黙の病気と言われ、いつの間にか進んでしまう病気の理由は~
健康な歯周組織とは?
  • 歯周ポケットは、歯と歯茎の境目の溝のことで2mm 以下が健康な状態です。
  • 健康な歯周組織の状態は、図のように薄いピンク色で弾性力があり引き締まっている状態です。
  • この、歯周ポケットに歯垢が溜まり歯周病菌の住みかとなると、歯周病菌が出す毒素によって、歯周組織が破壊され歯周病が進行してしまいます。
歯周病ってどんな症状なの?
歯周病は、歯周ポケットから進行しはじめる細菌感染症で、痛みなどの自覚症状がないまま悪化しやすいのが特徴です。歯肉の色、状態に変化が見られるので鏡でチェックすることが大切です。
  • 1.歯に付着したプラークが堆積して、歯石になり歯肉の炎症を起こします。
  • 2.歯と歯肉の境目についた歯石が、歯肉に炎症を起こし歯肉が腫れます。
  • 3.歯肉炎が進行すると、歯を支えている歯槽骨を溶かします。
  • 4.歯槽骨の吸収が進むと、歯を支えていられなくなり歯がぐらぐらしてものがうまく噛めなくなります。症状が進むと、自然に脱落してしまいます
歯周病のケアってどうすればいいの?
「歯垢」と「歯肉」を意識したケアが必要です。
  • 1.歯ブラシは、細かく動かして1 歯ずつ歯垢をしっかり落としましょう。
  • 2.歯と歯の間の歯垢の除去には、デンタルフロス、ワンタフトブラシなどを使い歯垢を隅々まで落としましょう。
  • 3.フッ素入りの歯みがき粉をしっかりつけて磨きましょう。
  • 4.デンタルリンスなどを使って、口腔内全体と歯周ポケットの原因菌を隅々までケアしましょう。
歯垢除去率
  • 歯ブラシ+歯間ブラシ 95%
  • 歯ブラシ+デンタルフロス 86%
  • 歯ブラシのみ 58%
歯磨剤の使用量の目安って知っていますか?
若年性(襲撃性)歯周炎もあります
  • 1.侵襲性歯周炎は,10 歳〜30 歳 代で発症することが多い歯周炎です
  • 2.全身的に健康で、一般的に口腔内もプラークの付着は少ないです。
    静止期は安定していますが、高度の歯周組織の破壊を伴う活動期になると、急速に歯周組織破壊(歯槽骨吸収,付着の喪失)が生じます。
  • 3.家族内に限定して発現を認めることが特徴です。
  • 4.原因菌としては、Aggregatibacter actinomycetemcomitans
    (A. actinomycetemcomitans)の検出率が高く,生態防御機能, 免疫応答の異常が認められるなどの二次的な特徴があります。
    以上4つの症状が見られたら
    1 日でも早く、専門医を受診して感染源の細菌を除去が必要です。
    また、歯槽骨吸収により歯がぐらぐら動揺してくるので咬合の安定化させる必要があります。
    歯周組織の再生させて歯周組織を回復させる必要があります。
歯周病は全身疾患とも関係があります
歯肉は体の中でも非常に敏感な組織です。口の中は全身でも微生物、細菌などが最も多く存在している場所です。 全身疾患と歯周病の関連性が近年の研究により指摘されています。歯周病と糖尿病の関連は深く、糖尿病は歯周病を悪化させる大きな原因のひとつです。呼吸器系疾患、心疾患、糖尿病や妊娠の影響などがあります。
歯周病と糖尿病の関係
歯周病の治療を適切に行うことで、血糖値のコントロール状態を示す HbA1c値も改善するという結果が得られています。
メタボリックシンドローム
歯周病の病巣から放出されるLPS(歯周病菌由来の毒素)やTNFα→ 脂肪組織や肝臓のインスリン抵抗性を増加させ、血糖値を上昇させます。重度歯周病患者血中CRP 値が上昇し、動脈硬化や心筋梗塞発症のリスク亢進と密接に関与する。
現在、歯周病とメタボリックシンドロームの関連性が注目されています。
狭心症・心筋梗塞、脳梗塞にも影響が
狭心症・心筋梗塞
動脈硬化により心筋に血液を送る血管が狭くなったり、ふさがってしまい心筋に血液供給がなくなり死に至ることがあります。 動脈硬化は、不適切な食生活や運動不足、ストレスなどの生活習慣が要因とされていました。現在は、歯周病原因菌などの細菌感染の関係も指摘されています。歯周病原因菌などの刺激により動脈硬化を誘導する物質が出て血管内にプラーク(粥状の脂肪性沈着物)が出来血液の通り道は細くなります。プラークが剥がれて血の塊が出来ると、その場で血管が詰まったり血管の細いところで詰まります。
脳梗塞
脳の血管のプラークが 詰まったり、頸動脈や心臓から血の塊やプラークが飛んで来て脳血管が詰まる病気です。歯周病の人はそうでない人の2.8倍脳梗塞になり易いと言われています。血圧、コレステロール、中性脂肪が高めの方は、動脈疾患予防のためにも歯周病の予防や治療は、とても大切です。
誤嚥性肺炎との関係
誤嚥性肺炎とは、食べ物や異物を誤って気管や肺に飲み込んでしまうことで発症する肺炎です。肺や気管は、咳をすることで異物が入らないように守ることができます。しかし、高齢になるとこれらの機能が衰えるため、食べ物などと一緒にお口の中の細菌を飲み込み、その際むせたりすると細菌が気管から肺の中へ入ることがあります。その結果、免疫力の衰えた高齢者では誤嚥性肺炎を発症してしまいます。特に、脳血管障害の見られる高齢者に多くみられます。誤嚥性肺炎の原因となる細菌の多くは、歯周病菌であると言われており、誤嚥性肺炎の予防には歯周病のコントロールすることで予防ができます。
妊娠性歯周炎
一般に妊娠すると歯肉炎にかかりやすくなると言われています。女性ホルモンが大きく関わっており、特にエストロゲンという女性ホルモンがある特定の歯周病原細菌の増殖を促します。また、歯肉を形作る細胞がエストロゲンの標的となることが知られています。プロゲステロンというホルモンは炎症の元であるプロスタグランジンを刺激します。これらのホルモンは妊娠終期には月経時の10~30倍になるといわれており、このため妊娠中期から後期にかけて妊娠性歯肉炎が起こりやすくなるのです。
予防方法
妊娠中は特に気をつけてプラークコントロールを行いましょう。基本的には清潔な口の中では発症しませんが、生じても軽度ですぐにコントロールできます。放置すると、出産後に本格的な歯周病に移行する場合があります。
喫煙も歯周病に関係しています
タバコの煙には数千もの化学物質が含まれています。その中でニコチンや発癌性物質などの有害物質は200 とも300 とも言われています。喫煙者は、お口が臭い・ヤニがついて汚いだけではなく、歯周病にかかりやすく、悪化しやすいので、治療しても治りにくいことが解っています。喫煙者の歯周病の重症化は
  • 1日10本以上喫煙すると 5.4倍
  • 10年以上喫煙すると さらに4.3倍
全身の健康と歯周病の関係
歯肉の炎症が全身に多くの影響を与えることは最近の研究で明らかになってきています。歯周病も糖尿病も生活習慣病ですから互いに深い関係がります。毎日の食生活を含めた生活習慣を見直しましょう。
歯周病を予防する事が全身の生活習慣病を予防することにつながります。
口腔ケアも自分一人できちんと行うのは難しいと言われています。半年に一度は歯科医を受診し、生活習慣も含め口腔内の専門的なケアを受けるようにしましょう。
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